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六畳脳内

20代後半崖っぷちフリーターの日常。正社員になるも現在は無職。やり残しを消化していきたい。

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K君

2016.04.19 (Tue)
前回の日記を書いていたら何だか前々職が懐かしくなってきた。
本当に人に恵まれた職場だったのだ。
苦手な人がいない奇跡みたいな環境だった。
だからと言って別に未練があるわけではないんだけれど。
普段は所属していたコミュニティから抜けたらもう一切自分から連絡を取ったりはしない。
基本的に人間関係は煩わしいし、メアドを変えたときにそのまま連絡先を送らずに自然消滅することが多い。
ただ、その職場には私にとって数少ない例外が1人だけいた。

K君は私と同い年で、ギタリストだった。

私よりも大分前からこの職場で働いていて、ニート上がりで働くのが辛くて死にかけていた私に仕事を教えてくれたのが仲良くなったきっかけだった。
とは言っても最初の一年くらいはずっとさん付けで敬語を使っていたような気がするが、それだけ人と付き合うのが苦手だったのだ。

彼のスペックは全てが私を上回っていたが、とりわけ人を誘うのが抜群に上手かった。
話すようになってすぐ、彼の所属するバンドのライブに来てよと誘われた。
この手の誘いは親しくなるほど断りずらくて、普段もっとも面倒に感じていることだったが、不思議と彼からの誘いにはすんなりと応じている自分がいた。
決して強引に誘ってくることはしない。
あまり自己主張をするタイプでもなく、普段は聞き上手な感じで、だからかよく色々な人から誘われていた。
K君は仕事と音楽活動でほぼ休みなしの状態だったが、笑顔で応じていた。

体力もコミュ力もない自分にはとても真似できないことだ。
一度そんなに毎日動きっぱなしで疲れないのか聞いたことがある。
K君はいつものように、何でもないことのように、「ライブに来て欲しいから」と言った。
付き合いがいいのもつまりは音楽のためで、打算でやっていると言うのだが、彼からは人に取り入ろうとするもの特有の嫌らしさは全く感じられない。
私はむしろ彼のひたむきさを感じたのだった。
そしてそう感じるのが自分だけではないから、彼のライブには同僚がたくさん来てくれるのだろう。

K君は仕事も出来た。
当時私達は電話営業の仕事をしていたが、獲得の成績は常にトップクラスで、月に一回はサボっていた私と違ってどんなに体調が悪くても出勤していた。
やはりそれも音楽のためだった。
バンド活動にはお金がかかるし、ライブの日をオフにするには職場の理解も必要だからと彼は結果を出し続けていたのだった。
それでいてひけらかしたり、傲慢な素振りは一切ない。

付き合ううちに、彼のその嫌味のなさは、彼の努力や情熱、行動の全てが音楽のためという一点に注がれているからだと分かった。
共に働いていた3年半、私は働くだけで一杯一杯だったが、K君は着実に活躍の幅を広げていった。
大きいライブハウスで演奏するようになったり、賞を獲ったり、資格をとったり、人に教えるようになったり、彼のひたむきさが身を結ぶのを見るのは私も嬉しかった。

こんな風に芯の通った生き方をしたいと思っていたことを、久しぶりに前の職場のことと一緒に思い出していた。
忘れそうになったらまたK君のライブに行ってみようと思う。


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